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炎の月に架かる虹【ONE PIECE】

第6章 華の声


何で倒れたんだっけ?
覚えていない。
一瞬で黒い闇に負けた。
琥珀の涙が意思を乗っ取った。
そのせいであまり覚えていない。
必死に頭の中から追い出そうとしていたらいきなり消えてしまった。


「と、とにかくゆっくり休め。」
「そうだよ。無理しすぎたらまた倒れちゃうからね。」
「そうする…。」


ラーラは不安を隠しきれないまま再び横になった。
怖い。
このまま意思を喰われてしまうんじゃないかと時々思う。
戻れなくなるんじゃないかと思うくらい怖いのだ。


「じゃあ、しっかり休んでね。」
「うん。ありがと。」


コアラは出て行った。
サボだけが部屋に残った。


「お前が倒れたのはこの剣が関係しているんだろ?」
「多分…。」
「お前の目が…闇みたいに黒かった。」
「意思を乗っ取られていた。」
「もう捨てろこんな剣。」
「できないわ。」


この剣を手放したくない。
それに…。
この剣と翡翠の血を共にシルラ宮殿に返さないといけない。
だからまだ捨てられない。


「ごめんなさい…それはできない。」
「何…で……」
「どうしてもやらなくてはいけないことがある。それに、意思を攻撃されるのは情緒が不安定になったときだけだから。」
「それでもっ!」
「できないよ!」


もうこの剣から離れられない。
呪いのようなもので結ばれてしまった。
きっとエリィアーノ・アーシャも翡翠の血と結ばれたんだ。
もう、双剣から逃れられない。


「私が暴走したら止めて。何を仕出かすが分からない。」
「それはそのつもりだが…」
「…答えは期待しないで。私は好きにならない。」
「ッ!」


まただ・・・。
また考えてること見抜かれた・・・。
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