第6章 華の声
「おい!しっかりしろラーラ!!」
サボは慌ててラーラの体を揺さぶった。
脱力し、意識を失くしている。
何があったんだ・・・。
「とにかく診せないと!」
サボはラーラを抱えあげると医務室に連れて行った。
倒れた原因は何だったのか・・・。
サボには一つの推測があった。
戦っていた。
心を侵食してくる黒い感情を追い出そうと戦っていた。
そこへサボが琥珀の涙を止めたために一気に体力を放出した。
そのために倒れたのだと。
「どっちにせよ、無事ならなんでもいい!」
「サボ君っ!ラーラちゃん大丈夫なの?」
「あぁ、命に関わることじゃない…。」
「どうして倒れちゃったんだろう。」
心配そうなコアラの声。
それもそうだろう。
「安心しろ。あいつは無事だ。ただ疲れが溜まってただけだ。」
「そうだよね…、大丈夫ならいいや。」
「精神的にもストレスが溜まりやすそうだしな。」
それは事実だった。
しかも集団に入ってしまった以上尚更だ。
だがやはりストレスだけではないと思う。
サボはラーラの琥珀の涙を眺めた。
一見普通と変わらない剣。
だが恐ろしい力を秘めている。
「総長!目を覚ましました!」
医師が部屋から顔を出した。
サボはすぐさま立ち上がって部屋に飛び行った。
コアラも続く。
「よかったぁ。」
「心配したんだぞ!いきなり倒れるから。」
「何で倒れたの…?」
ラーラの顔は不安そうだった。