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炎の月に架かる虹【ONE PIECE】

第3章 華の名前


「おいおいよせ。ただの脅しだ。俺はそんなことしねェ。」
「…。」


さっきまで威勢のよかったラーラの瞳に恐怖が伺えた。
サボの脅しは覿面だった。
だが唸るような口元を緩めないラーラ。


「もう一度言うがお前は…」
「うるさい!!分かったわよ!これで満足?」
「そうだな。」
「もう、一人にして。」
「あ、あぁ。」


サボは部屋を出た。
途端に笑みが零れてくる。
不可能だと思った彼女の性格を曲げて見事に折れさせた。
満足感でいっぱいだった。


「あ、待って!」


部屋の中からサボを引き止める声。
サボはドアを開けて覗き込んだ。


「何だ?」
「剣返して。」
「そうだな。待ってろ。」


サボは自室に保管してあったラーラの剣を取りに戻った。
ラーラは受け取るとギュッと握り締めた。


「何か必要なものとかないか?」
「あったら何?」
「持ってきてやろうか?」
「私には足があるわ。そこまで世話をされるほど弱いわけじゃない。」


キッパリと言い返されてサボは口を噤んだ。
ラーラは立ち上がった。


「お腹空いたわ。」
「それなら案内するからついて来いよ。」
「……。」


ラーラはサボと一定の距離を保ちながらついていった。
別にサボが怖いわけじゃない。
怖かったら面と向かって突っ撥ねたりしない。


「こっちだ…」
「ちょっとサボ君!!また食べる気!?」
「俺じゃなくて…」
「あら、この子がサボ君が拾ってきた子?」
「子供じゃない。私は23歳の成人した大人よ!」
「え・・・。」


サボはラーラを見つめた。
どう見ても年下に見える。
それなのにサボよりも1歳年上だったなんて。


「お、俺より年上かよ!」
「知らないわ。興味ない。」
「サボ君何で年齢なんか気にしてるの?」


コアラと同い年なラーラ。
コアラはラーラの手袋をした手をとった。


「よろしくね、私コアラよ。」
「ラーラ。」
「ラーラね。可愛い名前ね。」
「だから子供扱いしないで。」


確かにまだ幼く見えるかもしれない。
第一サボに年下と見られていたくらいだから。


「マジか……。」
「だから何で年齢気にするのよ。」
「何でもねェよ。とにかくこいつは飯食うんだ。」
「年下なんて思えない…。」
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