第1章 高校1年生編
『うちは君、うちは君。昨日の出待ちの先輩方は一体どこの部活動の方々ですか?』
「弓道部の先輩たちだ。俺が中学時代に弓道をやっていたのを知っていて引き抜きにきたらしい。」
『じゃあうちは君は弓道部に入るの?』
「そうだな、他にやりたい部活もないし、弓道部に入るつもりだ。」
へぇ~、と納得した彼女は別の質問を俺にしてきた。
『じゃあうちは君、袴とか着ちゃうの?』
「まぁな。それが正装だからな。」
『じゃあさ、弓でこうやってスパーンって的を射るの!?』
「それが弓道という競技だからな。」
スパーンと的を射るジェスチャー付きで彼女は質問をしてくる。
俺はそんな可愛らしい動きをしながら質問をしてくる浅葱をほほえましく思う。
『的を射るなんて難しそう・・う~む、私には出来ない芸当だわ。』
「そんなことはないさ。最初からできる人なんて誰もいないだろう?俺だって始めたころは的にさえ届かなかったからな。」
『そうなんだ~、やっぱりどの世界も最初からできる人なんていないもんね!』
「ところで浅葱はどの部活に入るんだ?もう決めたのか?」
俺も気になって浅葱に部活の事を聞いてみた。
すると彼女は“もちろん決めてるよ!”と笑顔で答えてくれた。
『私はね、吹奏楽部に入るよ!むしろ吹奏楽部に入りたいからこの高校を選んだんだよね。』
「うちの吹奏楽部といったら全国常連じゃないか。」
『それを言ったら弓道部も同じでしょ?全国で金賞を取れるように頑張るんだ!』
「そうか、お互いに頑張ろうな。ちなみに楽器はなにをやっていたんだ?」
『私はクラリネットだよ。』
お互いに部活の話をしていたら部活動開始の時刻が迫っていて、2人してあわてて部活動に向かったのも記憶に新しい。