第25章 >>23 豆鉄砲を喰らう件
「綺麗だよ。本当に...ずっとこうしたかった。」
切なそうに、苦しそうに。
嬉しそうに、悲しそうに。
言葉に意味を込めて話す研磨の表情は、何とも形容しがたい。
『研磨...私は......。』
「もう良いよ。私でも、僕でも...はだよ。」
だからもう苦しまなくて良いよ。
その言葉と共に、私は研磨の胸に抱き締められた。
《もう良いの?僕じゃなくても。》
もういいよ。私は私だもん。
《僕は要らないって事?うーわ...散々僕に頼っておいて?》
ううん。僕も、私も。
キチィちゃんもも。
結局1つなんだよ。
だから。
《そっか。そっか...。》
「...大丈夫?ぼーっとして。」
頭を撫でられて研磨に意識を向ける。
どうやら、ほんの少し、数十秒程どこか上の空だったみたいだ。
心がすっきりとした気持ちだった。