第26章 >>24 それも俺な件(研磨side)
「研磨さん。1人だけ幸せ...なんて駄目ですよ?俺達は血液なんですから。」
「リエーフ......!」
「今は黒尾さんの為に、頑張りましょうよ。今研磨さんが居なくなると、それこそ黒尾さんの居場所は...。」
それ以上言うなと、睨みつける。
これだからこいつは嫌いなんだ。
甘いメンソールの煙草の香りが、室内のお香と重なり吐き気がする。
は何が起きてるのか分からず、恥ずかしそうに布団の中で少し震えた。
「じゃあ、俺は行くんで。それと...ちゃんお迎え来てるよ。」
パタン────
それだけ告げると、そいつは部屋を後にした。
『お迎えって...。』
不安気にこちらを見るは、寂しそうにそう呟いた。
俺も寂しいよ、。
「本当は...子供作って...デキ婚でもいいから、結婚して...を傍に置いておきたかった。」
心中、最低な言葉を並べる。
「でも、周りは許してくれないみたい。」
少し震える手で紙袋の中身を確認し、それをに差し出した。
『これ...。』
戸惑うに、小さくごめんねと呟いた。
は優しくふんわりと笑って、仕方ないよと言った。
また守れなくなる不安に、心が折れそうになった。
は布団にくるまったまま立ち上がると、机の上に置かれたミネラルウォーターに手を差し伸べた。
そして、ぽたりぽたりと大粒の涙を流してそれを飲み干した。
俺はそんなの横顔を見れず、俯き敷布団に爪を立てた。
きみが普通の女の子になれる────
願わくは、そんな世界へ────