第25章 >>23 豆鉄砲を喰らう件
何だか、他人事の様にその部屋を見ていた。
研磨に案内されたその部屋は、黒い畳に、中央に広がる赤い敷布団と黄金に輝く小箱。
あの小箱のサイズは、きっと夜久さんが用意していた物と一緒だ。
その中身も、用途も理解できる。
だだっ広い部屋の端に置かれた丸い壺の様なモノから白い靄が出ており、部屋中に甘い香りが漂っていて、薄いピンクの照明が何とも官能的だ。
小さな机に置かれた酒やグラス、灰皿。
どれをとってもアンティーク調で高級感があり息が詰まる。
ティッシュケースの黄金が鈍く枕元で微笑んだ。