第22章 >>20 誰の誰も誰もがな件
「...全部知ってた....。天童にそういう事されたのも、及川に...酷い事されたのも...そして、牛島が好意を抱いてるのも...全部全部知ってた...。」
「っじゃあ何で!」
「俺にとって...クロが居る様に...ゲホッ...にとってのクロが...助けてくれる...クロが...必要だから...だから!」
「どんな...どんな事でも受け入れて、俺があの日救えなかったを救いたい!」
「かつてクロが俺を助けてくれた様に!!」
力強く紡がれた言葉は、胸のしこりを揉みほぐす様に身体を包んだ。
心に暖かい風が吹いたように、自然と頭が上がる。
「研磨...悪ぃ......俺、...。」
途端に言葉を詰まらせると、何度も頭を掻きこちらを向く。
「研磨は俺にとっても...。その、お前に奪われそうで...だから...。」
『良いんです。わかってます...あなたにとっても研磨は大切な友で、相棒って事...。』
「すまん...研磨も...ごめん......。」
バツが悪そうに何度も目を伏せ、そして後悔の色を滲ませながら彼は居心地の悪さを感じていた。