第22章 >>20 誰の誰も誰もがな件
「研磨。お前は知らないだろうけど、こいつは...。」
嫌な嫌な予感がした。
それ以上何も言わないでと、心で祈った。
「天童にレイプでバージン奪われたり、及川に好き放題ハメ撮りされたり...お前が思ってる様な綺麗な子じゃないよ。」
ああ、誰かこの心に刺さったナイフを抜いて。
ごもっともな事実に、その場に崩れる。
足に力が入らない。俯いた頭が上がらない。
研磨にどう顔向けしていいかわからない。
涙も出ない。焦点が合わない。
目線の床が崩れる様な錯覚。
「ッ...そんなの...ッ...し...ってる!」
ドサッ────
そんな言葉と同時に研磨が床に落ちた。
駆け寄りたいのに、大丈夫?と駆け寄りたいのに。
俯いた頭が動かない。
「ッゲホ...ッ...。」
苦しそうに何度も咳き込む声が聞こえる。
その方向を向くことが出来ない。
「知ってて...知っててこいつを庇うのか...?」
静かにそう口を開いたのは、先程まで首を絞めていた本人だった。