第22章 >>20 誰の誰も誰もがな件
まるで嫉妬に狂う女の様な、微かに香る女々しい言葉だった。
頭皮がぎりりと痛みを吐き出しはじめた時、ようやく離された手は研磨の腕を掴んでいた。
急に離された事で前のめりに倒れ込み、そこに研磨はもう居なく、冷たい床に顔を打ち付けた。
鼻のガーデがズレた様な気がした。
「クロやめてッ...!」
「やめて...?研磨ァ、お前が決めたんだろ?!この街から出るって、どういう事かわかってねぇーとは言わせねぇ!」
何が起こっているのか、理解するのに少し時間がかかった。
数秒、ほんの数秒その光景を他人事の様に眺めた。
『あっ...。』
腕を掴まれ、引き寄せられた研磨の細い首に手がかかる。
ああ、首を締め..て...る....?
『ッ...待って!研磨を離して下さい...っ!』
血の気が引いた。
研磨の顔は今にも爆発してしまいそうな程赤く染まり、首筋は塞き止められた血液で血管が浮き上がっていた。
咄嗟にその行為を止めようと手を伸ばすと、その男はあろう事かこう放つ。