第20章 >>18 運命の再会な件
松川さんと歩いてたどり着いた場所は、高級そうな食事処であった。
外観は老舗料亭旅館を醸し出し、店前の竹が淡くライトアップされていた。
悪戯子猫と書かれた暖簾をくぐると、既に客が居るのか数足の靴が見える。
暫く歩くと、受付カウンターが見える。
そこには、この和風には似合わない一人のハーフ。
「あれっ?!松川さん予約入れてましたっけ?」
綺麗な緑色の瞳をこちらに向かわせてそう言う男は、私を執拗に見つめた。
「黒尾には話したはずだが。」
松川さんは面倒くさそうにそう言うと、小さく舌打ちをした。
私はここがどういう場所なのかわからず、ただただキョロキョロと辺りを見渡していた。
「俺何も聞いてないっすよ~!その子もしかして紹介ですか??でも傷付き、訳ありっすか?」
舌を出して、ぺろりと唇を舐める彼は少し怖い。
咄嗟に松川さんの後ろに隠れる。
「俺、灰羽リエーフ!仲良くしてね~♪」
ニコニコと笑いながら、隠れる私を気にもとめずひょいと顔を覗かせ手をひらひらと振った。
「ェーヤデスヨ、アナタミタイナヤリチンネガイサゲー。」
すると、声を高くした松川さんがニヤニヤしながらそれに答える。
「ヤリチンじゃないですよ!ってか松川さん酷い!!」
『あの...その...。』
色々聞きたい事があるのに、全然纏まらなくて。
まるで喋れない。
私ってこんなに喋れなかったっけ。