第19章 >>17 集中ケアな件
頭にはてなマークを浮かべながら、松川さんに着いて行く。
赤葦さんと月島さんは無事だろうか、天童さんとあの男の人は大丈夫だろうか。
そんな不安を胸に抱え、地下街を抜けた歩道で深く深く息を吸った。
ほんの少し前まで、気にも止めてなかった人々に目がいく。
何だか夢を見ている様だ。
血が付いた自分のパーカーを見て、自分の異常な姿に現実に戻される。
あいも変わらず、そんな異常な姿であっても、私を誰も見てはくれない。
空を見上げると、夕焼けが夜に消え入るほんの前だった。
その景色があまりにも綺麗で、呆然と見とれた。
「天童は言わずもがな強いけど、花巻も強いよ。それに、赤葦も月島もそんなやわじゃない。」
不意に視界に入る松川さんは、優しくそう言い聞かせてくれた。
『でも、私のせいで...。』
「ちゃんのせいじゃ無いと思うよ、きっと。」
だからそんな顔してないで早く歩こう。
そっと繋がれた手は、とてもとても温かくて途端にほろりと小さな涙が流れた。
ああ、今は歩こう。
松川さんを横に、前を向いて歩いた。
運命は忙しなく動く。
自分の位置がわからないほど乱れた色。
そんな色を、どうしろと言うのか。