第19章 >>17 集中ケアな件
暫くしてついた場所は、どう見ても病院とは言い難い場所で。
痛む鼻を先ほど松さんに渡されたタオルで押さえながら未だ流れる血に、身体が震えた。
街の地下街の寂れた電気屋さんに入る。
「あ、俺松川ね。及川んとこの。」
という事は、彼も言わずもがなカラーギャングなのか。
『助けて...くれてありがとう、ございます...。』
「良いって良いって、及川の命令だし。この辺のカラーギャングはみんなあんたが欲しいみたいだからな。」
何を言ってるんだろうと思いながら小さな店内を歩くと、一人の男が現れる。
「青いのが厄介なの持ち込んだわ...うっわ最悪、女の子殴るとか無いわ。青根、松川ロックオン。」
その言葉に、それはそれは大きな男が現れる。
「違うって!助けてきたの!聞いてない訳ねぇーだろ?!ほら、あの...キチィちゃん!」
慌てて説明をする松川さん。
何だか苦労している方なんだろうか。
貫禄が凄いな、松川さん。
「あー...なるほー。んじゃ、奥行こうか。黄金川ァ!店番しとけよ!」
その言葉に犬のように駆け寄る男の子。
若そう...恐らく成人してないんだろうな。