第18章 >>16 心の屈折な件(描写注意)
『ッ?!!!』
口内に広がる不快な臭いと味。
これは...。
「歯、立てたら全部折るからなあ。」
「歯全部綺麗に抜いたらフェラチオ機になるからそれはそれで有りじゃね?」
苦しい、悔しい、怖い。
太い縄で縛られた腕や足が憎い。
『んっ...んんんん...!』
何度も何度も出し入れを繰り返される度、喉がごつごつと刺激された。
酷い逆流。
胃液が出たいと何度も何度も喉を行ったり来たりを繰り返す。
喉が焼けるように痛い。
因果応報、ですか。
「思いの外キチィちゃん良いわぁ...下着はだっさいけど。」
「んじゃ俺から...。」
嫌な予感と、天童覚という男が脳裏をよぎる。
これは、以前も。
『んんんんん!!!』
やっぱりあの痛みが、鬱陶しい程あざとい程の痛み。
咄嗟に歯を立ててしまう。
痛みから逃れる為に、無意識に起こした行動が新たな痛みを産む。
「ッい...歯ァたてんじゃねぇーよクソが!!」
どごっ────
鈍い音が脳までずっしりと伸し掛る。
鼻が痛い、口内に流れ込む鉄の味、おびただしい量の血液が鼻から吹き出した。
『うっ...くっ...ゥ...ッ!』
ぼたぼたと自分の中から血液が流れる様は、後の祭り状態。
「顔面はやめろって!萎えるだろうが!」
「だってこいつが...俺だって萎えたわ!」
涙すら出ない、痛みが酷い。
患部を咄嗟に押さえようとした手が、腕が上がらない。