第16章 >>14 冬の寒さは心な件
時間は戻り現在────
『どしゃっと...。』
そこからの記憶が無い。
全くもって無い。
あのお酒、きっとアルコール度数が高かったんだ。
どうしよう、マジで記憶無い。
及川めっちゃ見てる。
しかも裸。僕もは だ か。
「やだ...及川さんとは遊びだったのねーっ!ちゃん酷いぃい〜!」
『うぇっ?!ちょっと待って!待って!!本当に色々待って!!』
それって普通女の子が言う台詞じゃないのかな...違うかな。
そんな事より、この身体にまとわりつくネバネバとカピカピは何だろうか。
恐る恐る手を伸ばし、太股に付着したソレを指で拭う。
くんくんと鼻で匂いを嗅いでみると...。
『ぐっ...ぁ!生臭ッ...!』
「ひどーい!それ及川さんの子供達なのにぃ〜!」
ぷんぷんとスマホを弄りながら楽しげに視線をこちらに向けて一瞬下を向き、再び目線を上げた後こう放つ。
「精液まみれで裸って、それぐらい意味わかるんじゃない?賢いんでしょ。」
及川を次に見た瞬間、背筋が凍り付き冷や汗が止まらなくなった。
だって彼の手に持つスマホの画面に映るのは。
紛れもなく性行為中の僕なのだから。