第16章 >>14 冬の寒さは心な件
昨日の出来事────
「機嫌が良いみたいだな、今帰った。」
『え、何ナチュラルに帰宅してるんすか。』
ほろ酔い気分で楽しんでたら、まるで同棲しているかのように若利さんが帰ってきて、片手に持ったコンビニ袋を机に置いた。
「まだ記入して無いのか?出来るだけ早くしてくれ。」
『いやいや、しないから。しないからね。』
机に置きっぱなしのピンクの婚姻届を眺めながらそう呟く。
その後本当に自然にコートを脱いで、僕の居る炬燵に入って来たかと思うとコンビニ袋から缶ビールを取り出してプシュッと空けた。
「今日は良いことがあったんだな。どうした?便通が良くなったか?」
『おい。そんなんじゃない。でも...。』
『良いことはあった。』
自然と溢れる笑みは、きっと今日一番の収穫。
研磨に会いたい。
研磨と話したい。
嬉しいからこそ、こうしてこの人とも普通に話せるんだろうか。
「それは良かったな。発泡酒なんて初めて飲んだ。」
『一々癪に障るね!!もう帰りなよ!』
そんな会話をしつつ、若利さんが持ってきた高そうなお酒を飲んで、それで。