第16章 >>14 冬の寒さは心な件
『え。』
「ん?」
目が覚めると裸で身体はそこかしこに粘り気のある、少し乾いたものがこびりついていた。
そして真横には、何故か同じく裸の及川徹が居た。
状況が全くもって理解出来なかった。
痛む頭に右手を添えて、昨日の事を精一杯思い出そうとした。
「やっぱり何にも覚えてないんだ...。及川さん悲しいなあ...。」
その様子を見ていた及川が悲しげにそう呟いて窓の外を見た。
『ボクナニカシマシタカ。』
思わず出た言葉は、拙い日本語で。
唯一思い出したのは、昨日出来た友人。
孤爪研磨の顔。
「何それ、本当に面白いね。」
くすくすと笑う及川に、若利さんの顔が重なる。
そう言えば昨日は、研磨のおかげで嬉しくて楽しくて機嫌が良くて。
家でゲームをしながら飲んでたら…。