第13章 >>11 似た者同士な件
「やっぱり強いね。」
『気を抜けば負けそうだったよ。』
二人してくすくす笑いあった。
どちらともなく、次はこれしようと別のゲームをして、最後は記念にと初対面の彼に連れられプリクラまで撮った。
出来上がったプリクラにはジャージ姿の2人。
ぎこちない笑顔で、少し控えめなピースサイン。
「なんか、似てるね。」
『そう言えば、似てるね。』
「孤爪研磨、きみは?」
『。研磨って呼んで良い?』
「いいよ、こっちもって呼ぶから。」
友達になれたら良いな。
久しぶりに抱いた感情は、本当の自分を無意識に出していた。
「あ...LINE交換しない?」
控えめに取り出したスマホの画面には、自分のIDが示されていた。
『いっ...良いの?!』
思わず嬉しくて大きな声が出た。
ハッと我に返り、赤らむ頬と口を手で覆った。
研磨と友達になれるかも。
そう思っただけで、自分が昔に戻るのを感じた。
今よりもっと素直で人間らしかった自分に。
「また一緒にゲームしたいし、それに...。」
『それに...?』
ほんのり赤く染めた頬で、口をもごもごさせながら、
「俺、憧れてたから...に。」