• テキストサイズ

【HQ】ANARCHY【R18】

第10章 >>8 お気に入りな件



面白くもなんとも無い、寧ろ不快感が出るお笑い番組。
それが延々と流れる年末のテレビを見続けてる感覚が、1番近いかもしれない。
右手にひんやりとした手がある。
行き交う人は、皆思ったであろう。
こいつらはどういう関係なのだと。

「真っ赤なおっはなのォー、ちゃんはー♪」

上機嫌に歌う彼と、手を繋いで歩いてるのだ。
誰が想像出来ただろうか。
こんな状況を。

「ねーねー、ちゃん、さっきはごめんねっ!」

テヘッと、何とも不気味な笑みを浮かべ繋いだ手をぎゅっと握られる。
気にしないように、平然を装って、街中に流れるクリスマスソングに耳を傾け、鬱陶しい程光り輝くイルミネーションに意識を向けた。

「無視とか酷いっ!覚って呼んでよ!さ と りって!」

途端に足を止め、ぎゅーぎゅーと繋いだ手を引っ張られる。
何だこの駄々っ子。

『勘弁してくんない?』

唯でさえ目立つあなたと、こんな時間でも人通りの多い所を歩いてんだから。
その言葉は言わず、代わりに大きな溜息を吐いた。
/ 100ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp