第9章 >>7 唐突な件
ガチャッ────
バタンッ────
ドタドタドタドタ────
勢い良く何かがこっちに向かってくる音がする。
酷く身体が震えた。
「青が一番乗りとか若利君機嫌悪いよーっ!」
嵐の様に現れた男は、激しく興奮した様子で部屋に入って来るなり、及川を指差して叫んだ。
「これは岩ちゃんが見つけたんだよ。」
「ああ、その反吐が出る優しさで神様が味方したってかァ?うっざ。」
睨み合う二人は、犬猿の仲みたいで。
「で、きみがキチィちゃんこと…ちゃん?」
『何でっ…!』
「何で下の名前を知ってるのー?って?」
頭をハンマーで殴られた様な衝撃が走る。
自由な足を使い、その男から離れようとする。
しかし、そんな事は許される筈も無く。