第7章 >>6 友情努力勝利は無意味な件
「改めて…。」
また低い、及川の声。
「はじめまして、StarrySkyのNo.1ホスト兼…2ndBlue代表の及川徹です。」
瞬間、甘ったるい吐きそうなほど優しい声に、心をつかむとってつけたような笑顔。
そこに居たのは、まるで別人の及川徹という男。
「同じく…StarrySky所属ホスト兼、2ndBlue管理を務める岩泉一。」
二人は自己紹介を終えると、《さあ次はお前の番だ》と目を光らせる。
『永遠の16歳、特技はハッキング。好きな言葉は、友情努力勝利と書いて無意味と読む。お察しの通り、ひきこもりのキチィちゃんです。』
淡々と、自分の設定を言ってフードを深く被る。
玄関の僅かな隙間から入る空気がひんやりと冬を告げる。
自分は嫌われ者だから、きっとこの人たちも何処かで僕を恨んでるのだろうか。
殺されるのだろうか。
だとしたら、本当にくそつまんねー人生だったな。