第7章 >>6 友情努力勝利は無意味な件
ガチャッ────
玄関のオートロックが解除され、そのドアが突然開かれる。
ぐらりと後ろに倒れると、誰かの腕に抱きかかえられた。
上を見上げると、サラサラヘアーの黒髪が見えた。
その間に見える目は、鋭く、目付きが悪いなんて物じゃなかった。
「あれ…?澤村君じゃなくて、何で飛雄ちゃんなの??」
「よう影山。久しぶりだな。」
「岩泉さん、お久しぶりです。澤村さんは別件があるので、俺と…」
「キチィちゃんってどんな奴?!!やっ…やんのかコンニャローバーロー!!」
その後ろから小さなオレンジ頭の男がカタカタと震えながら出てきた。
この状況はどういう事なのか。
及川、岩泉、影山、そしてもう一人の男を見る。
「チビちゃんと2人で来たの?で、飛雄…お前が抱き抱えてるそれがキチィちゃんだよ。」
途端に吹き飛ばされて、大理石の床に頭を打ち付ける。
酒の入った身体に、脳に、じんわりと痛みを残す。
『ぃっ…!』
起き上がる間もなく床に押さえ付けられ、手を結束バンドで一つに括り付けられる。
ぎゅっと皮膚にくい込むそれは鈍い痛みを伴う。