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【HQ】ANARCHY【R18】

第6章 >>5 地獄の沙汰も金次第な件



男の手を取り、人差し指をペットボトルの口に入れる。

「ひきっ…勘弁して下さい…っ!」

次に行われるであろう行為に怯える男は、大粒の汗と涙を流した。

「まだなんもしてねェーじゃん。つか、質問の答えはー?」

ぐぐっとペットボトルに力が込められる。
咄嗟に男は口を大きく開けて叫んだ。

「キチィに!!!キチィに勝ちたかったんです!!!」

ポキッ────

思わぬ名前に、ペットボトルを持つ手に力が入り人差し指があらぬ方向に曲がる。

「ああああああああああああ!!!!」

断末魔が再び。
それと同時に、興奮した天童の荒い息が部屋に滞る。

「えっ…?!何何?!お前キチィちゃん知ってんの?!」

勿論男は答えない。
答えれない。

「ちょっ、待ってよ待ってよ!知ってるなら早く言ってよ~!」

ポキッ────

再び鳴り響く少し高い音。
それと同時にまた叫ぶ男。
それが幾度と無く繰り返された後、天童は意識を失ったその男を蹴り飛ばした。

「川西~?こいつの家のパソコン、とりあえず押収して、後こいつにキチィちゃんについて知ってること、片っ端から聞いて、コンクリで歯型割ってからドボンしといてー。」

部屋の外で待っていたであろう川西という男にそう告げると。

「俺は若利君の所行ってくるわー。」

何事も無かったかの様にコートを羽織ると、嬉しそうに飛び出して行ってしまった。


じわりじわりと色が染み込んでいた。
交わるのはそんな遠くない未来。
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