第5章 >>4 3回回ってワンな件
「良く見れば、美少年だよねー。まあ俺には敵わないけど。」
まじまじと顔を覗かれ、ふいっと顔を逸らす。
及川は苦手だ。
「いや、お前より遥かに美形だろ。女みたいじゃん。」
女です。
その言葉が出なかった。
「あー…身体中変な香水の臭いする…吐きそう…シャワー浴びよっと。」
及川はそう言うと、ソファーから立ち上がりシャツのボタンを外しはじめた。
まさか、ここで脱ぐのか?と内心見たくないなんて思いながら岩泉に視線を向ける。
岩泉は、僕の目線に気付いたのか、あっなるほどねと言いたげに少し微笑んで。
「俺も入るかー。も入るぞー。」
違う。
全然伝わってなかったアイコンタクトが更に自分を縛る。
『いいです…!朝帰って入ります…!』
慌てて断るが、時すでに遅し。
及川がにこにこしながら近付いて来る。
「~…さてはまだ毛が生えてないとか、包茎だとかで恥ずかしがってるなあ?」
にやにや嬉しそうにそう言うと、「まあまあ、裸同士のお付き合いって事で!」と僕のジャージに手をかけ、一気に力を込めた。
『やっ…やめ!!』