第5章 >>4 3回回ってワンな件
時すでに遅し。
本日2回目の、時すでに遅し。
ジャージと共に下着も一気に下に落ち、そして露わになる自分の恥部。
顔が一気に熱くなり、すぐパーカーの裾をぐいっと伸ばし隠す。
「え…。」
「は…?」
及川と岩泉は豆鉄砲をくらった様な顔をして、冷や汗を流していた。
沈黙が流れる。
恐らく15分程度、お互い何も喋れず目を合わせれず、動けずにいた。
「…女の子だったの…?」
その沈黙を破ったのは及川だった。
及川は嘘でしょ?と言いながら後退る。
「いや…その…ごめん…。」
岩泉は大変申し訳無さそうに謝った後、顔を真っ赤にして同じく後退る。
『ぼ…僕女ですし…せっ…成人もしてます…。』
声も手も、身体も震えた。
画面越しで痴態を晒すとか、笑い話で済むのに。
自分は心底リアルの付き合いが下手くそで、内弁慶なやつなのか。
がたがた震える片手で、パーカーを押さえながら空いたもう片方で、ジャージと下着を上げる。
ぐいぐいと、不器用に上げているとポケットから財布が落ちた。
ポスンとか、そんな可愛らしい音じゃなくて、ボトッと。