• テキストサイズ

青い果実 番外編 【NARUTO】

第6章 心をこめて花束を【うちはイタチ】



風呂から上がると、またサスケが迎えに来てくれた。

俺の手を引いて、今度は早く早くと急かして来る。

髪がまだ濡れたままだが、サスケのキラキラした目を見たら待っていろと言う気も起きない。



「「お誕生日おめでとうイタチ!」」


扉を開けると、紙で作った輪飾りで装飾された部屋で、リエと母さんが祝いの言葉をかけてくれた。

テーブルには目一杯のご馳走。

その中には形の歪なおにぎりもあった。

中身はきっと、俺の好きな昆布と、サスケの好きなおかかだろう。


「…おめでと、兄さん」


手を繋いだままのサスケが、そうはにかんだ。


一人だと特に意識もしない一日が、大切な人達のおかげで幸せな一日になる。


「ありがとう、皆」


心から、感謝の言葉が出た。

皆の眩しいくらいの笑顔が、ただ嬉しかった。


「イタチ、座って!ごはんね、ミコトさんと私で一緒につくったの。サスケも手伝ってくれたんだよ!」

「サスケが?」

「お、おにぎりだけだよ…下手だし」

「下手じゃないよ!初めてとは思えないよね、イタチ」

「あぁ。美味そうだ」


すかさずフォローをいれるリエをさすがだな、と思いながら、なるほど少々歪なのはサスケ作か、と納得した。

照れて目をそらすサスケが、なんとも愛らしい。


いただきます、と声をかけ、歪なおにぎりを口にする。

案の定、昆布にぎり。

「美味い」と言えば、サスケは嬉しそうに目を輝かせた。
/ 73ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp