第5章 優しい月【うちはサスケ】
リエと一緒に暮らすようになってから、悪夢に怯えることもなくなり
リエのおかけで少しずつ、笑顔がつくれるようになってきた。
久しぶりに笑ってリエに「ありがとう」と言えたとき、彼女は目を見開いて、それからとても嬉しそうに笑ったのが印象的で。
リエが喜んでくれることが、オレも嬉しくて。
それから、出来るだけ笑顔でリエと向き合うようになった。
彼女の前以外で笑うことはないけれど。
オレにとってリエが全てであるように、オレもリエにとって必要な存在になりたかった。
オレはリエの為に、何が出来るのだろう。
色々考えてみたが、オレには忍としての才しかない。
まだ弱くて、まだまだ未熟だけれど
リエがオレの心の支えになってくれるならば、オレはリエの身を守る盾となろう。
誰よりも強くなって
リエを守りたい。
リエだけは絶対に、失いたくない。
前から漠然と持っていた気持ちが
ずっと、強くなった。