第1章 これからも、ずっと【イタチ&サスケ】
「どうしたの、サスケ?なんか機嫌悪い?」
「…べつになんでもないよ。機嫌も悪くない!」
なんでもないって言い方じゃないんだけど。
そっぽ向いちゃうし。
さっきよりもっと不機嫌そう。
私なんかしたかなぁ?
サスケは結構頑固だから、こうなるとしばらく機嫌がなおらないんだよね…
せっかく三人でゆっくり出来るんだから、皆で楽しく過ごしたいのにな。
どうしようと困ってイタチを見ると、イタチはサスケに気付かれないようにこっそり笑っていた。
サスケの不機嫌の理由、わかるのかな。
さすがお兄さんだなぁ、なんて感心しちゃった。
それでもイタチは特に何も言わないし、何もしない。
ただ私に視線を向けて、サスケを見て、ニコリと笑うだけ。
そしてその目で、私にこう問うている。
「リエだったら、サスケの機嫌をどうなおす?」って。
イタチはいつもそう。
私が困ったとき、その解決策は知ってるはずなのに、それを自らは口にしない。
どうしようもなくなったときだけ、少しずつヒントを出して正解まで導いてくれるけど
自分で考えて行動することの意味とか、大切さを、イタチは私やサスケに教えてくれてるんだと思う。
言葉は多くないけれど、イタチはいつも私やサスケのことを考えてくれてるんだなって
大切にしてくれてるんだなって
何気ない日々の中で、いつもそう思うんだ。