第3章 オレの好きな人【うちはサスケ】
深夜になってもリエのことが気になってなかなか寝れなくて、水でも飲もうかと台所に向かう。
途中リエの部屋の前を通ったときに中をこっそり覗いたら、微かに声が聞こえた。
布団をかぶって、声がもれないようにして
苦しいことを、悲しいことを、オレに気付かれないように
リエは一人で泣いていた。
…あいつが……
イタチが…里を抜けたと知ったときのリエの姿を思い出して
無性に、腹が立った。
もしかしてその髪、誰かに無理矢理切られたのか?
なんで笑って誤魔化すんだよ。
ーーーなんで、オレに言ってくれないんだよ。
辛いって、助けてって、言ってくれれば
抱きしめて涙を拭うことも
ずっとお前の傍にいて誰にも触れさせないように守ることだって出来るのに。
足音を立てないようにリエの部屋を離れ、自分の部屋へと戻る。
ベッドに倒れこむと、傍の窓から満月が見えた。
…許さない。
リエの笑顔を奪うものは
誰であろうと許さない。
絶対に犯人を見つけ出して、二度とリエに近づかせねぇ。
リエは、オレが必ず守ってみせる。