第3章 オレの好きな人【うちはサスケ】
リエの髪が短くなってから、数日。
最近リエは、うーん、と首を傾げることが多くなった。
「どうしたんだ?」
と問えば、少し言いにくそうにリエは答える。
「うん…なんか最近…クラスの子に避けられてるような気がするんだよね…」
十中八九、あいつらのことだろう。
リエの髪を切り、何も知らないくせにあれだけリエを乏したクソ女ども。
二度と近づくなとあれだけ脅してやったんだ。
そうでないと困る。
「…サスケ、何か知ってたりする?」
あまりの奴らの態度の変化に、リエも思うところがあるのだろう。
とは言っても、オレがしたことをリエに知られると厄介だ。
リエは優しいから、あんな奴らでも傷ついたとわかれば心を痛めるだろう。
それにあんな奴らのせいでオレがリエに怒られるのも勘弁だ。
「いや?リエの気のせいじゃないか?」
知らぬが仏。
あんな奴らのことで気を病む必要も、気にかける必要もない。
お前はただ、幸せそうに笑っていればいいんだ。
「リエ」
未だにそうかなぁと首を傾げるリエに声をかける。
「その髪も似合ってるよ」
やったのがあいつらだということは気にくわないけれど…
オレの一言で、リエの気が少しでも晴れたらいい。
リエは一瞬キョトンとした後、嬉しそうに笑った。
あぁ、やっぱり
オレはリエが
リエの笑顔が
大好きだ。