そしてこの道が続いたら【Mr.FULLSWING】
第4章 外野組
「あー!やっと終わったよー!」
兎丸はやれやれと言わんばかりに大きく伸びをした。
「分かっていたとはいえ、やっぱりハッピーエンドはいいですね。感動しちゃいました。」
うるりと目を潤ませるのは鳥居。
「コゲ犬ってのが気に入りませんけど、本当にそうですね。」
猿野は犬飼のように鳥居の頭に手を乗せた。
「おい猿野。彼氏とはいえ気安く凪に手ぇ出すんじゃねえよ。」
ポキポキと手を鳴らすのは清熊。
「もう、こんな時にリアルファイトは勘弁っすよー!ほら、司馬君もやめてって言ってるっすよ?」
子津はいつものように喧嘩の仲裁に入り、司馬も眉尻を下げて止めに入る。
「そんなことより、いい加減あの2人のところに行きたいかも・・・。」
ぽつりとみんなの気持ちを代弁したのは猫湖。
一同の視線が総大将の辰羅川に向けられた。
「そうですね。もう出て行っても許されるんじゃないでしょうか?」
辰羅川は穏やかな笑みを浮かべると、一足早く木陰から足を踏み出した。