そしてこの道が続いたら【Mr.FULLSWING】
第4章 外野組
「あっ!おいこらモミー!抜け駆けは許さんぞ!」
「猿!?それに辰!?」
「僕らもいるよー!」
「え、兎丸!?みんなここまでついて来てたの!?」
「お前らの行く末を見届けねえわけには行かねえだろうが!」
「あたしはタロットで全部分かっていたかも・・・。」
「お2人とも、よかったですね!」
「おい!なんでマネージャー達までいるんだ!?」
「××さん、よかったっすね!」
「子津!司馬も!あたし頑張ったよー!」
それぞれがわいわいがやがや言い合う中、犬飼は辰羅川に詰め寄った。
「おい辰、これはどういうことだ?」
「アイムソーリー、犬飼君。実は私が言わずともあなたの気持ちなど、皆様すでに知っていたのですよ。」
「はっ!?」
「犬飼君、自分が小学生並みに分かりやすいということをご存じないので?」
途端に犬飼の顔が真っ赤に染まる。
苛めすぎたかと辰羅川はくすくす苦笑した。
「実は2週間前に××さんが犬飼君に告白したいと仰られまして。
これはちょうどいいと、みんなで画策して2人のキューピッドをしようという事になったのです。」
あぁ、だから2週間も2人きりになれてたのか・・・。
犬飼はいまいち働かない頭でぼんやり事態を把握した。
「にしても2週間もかかるなんて思いませんでしたがね。」
「知ってたんだったらさっさと教えりゃあよかっただろが・・・。」
「いえいえ、恋愛とはそういうものでは無いでしょう?」
含みのある笑いをする辰羅川の真意を、犬飼は理解出来ないままでいた。