そしてこの道が続いたら【Mr.FULLSWING】
第4章 外野組
「「あの・・・!」」
2人の言葉が重なり、ついでに視線も重なった。
「犬飼君からどうぞ!」
「とりあえず、××が先に言えよ。」
「えっ、じゃあ・・・いいかな?」
決意を固めた○○は、一度深呼吸して息を整えると、改めて犬飼に向き合った。
街灯で照らされた琥珀色の瞳が綺麗だった。
目をそらさず、もう逃げない。
「あのね・・・。」
○○は大きく息を吸った。
「あたしは、犬飼君のことが好きです!」
2週間の時を超えて、ようやく告げられた言葉。
さっきまで2人の会話なんて何も聞こえていなかった外野のメンバーにも、その声ははっきり届いた。
ボンッ!
「わー!犬飼君!?」
本日2度目の爆発。
犬飼は今度こそベンチに倒れ込んでしまった。
「犬飼君!大丈夫!?」
○○が、今度は両手で犬飼の両腕を掴む。
起こそうと思っても185センチの男を起こすのには無理があるようで。
「犬飼君!どうしたの!?」
犬飼はしばらく○○の手によって揺さぶられる事になる。