そしてこの道が続いたら【Mr.FULLSWING】
第4章 外野組
正気を取り戻した犬飼の顔は、言わずもがな茹で蛸状態で。
○○に揺さぶられていることに気付くと、茹で蛸を超えてもはや炎のように熱を増した。
「犬飼君・・・ごめんね・・・!」
ごめんって何が?
そう聞こうとした犬飼だったが、○○の顔を見て声も出ないほど驚いた。
○○はボロボロと情けないほど涙を流していた。
「ごめんね!変な事言って!」
何を勘違いしたのか、拒絶されたと思い込んでしまった○○。
とても追いつけない展開の早さに、犬飼は○○に揺さぶられたまま、おろおろと狼狽えるばかり。
「嫌だったよね!ごめん!ごめん・・・!」
消え入りそうな声でも、涙でぐしゃぐしゃでも、○○は「ごめん」と謝罪し続けた。
泣かせちまった。
嫌なんて思ってないのに。
信じられねえぐらい嬉しかったのに。
犬飼はどうしようかと目を白黒させて頭をフル回転させた。