そしてこの道が続いたら【Mr.FULLSWING】
第1章 ヒロインサイド
「もう○○ちゃん!さっさと告白しちゃいなってー!」
ぷりぷりと頬を膨らませて怒るのは兎丸。
「分かってるよ!だけどー!だけどー!」
あたしは机に突っ伏してじたばたと駄々を捏ねる。
「だけどだけどって、告白するっつったのは○○だろうが。」
「ぐぬぬっ!」
男らしいもみじの言葉にぐうの音も出ない。いや出たけど。
「××さん、緊張するのは分かるっすよ?でもここはズバッと決めるべきっすよ。」
優しく諭してくれるのはお人好しな子津。
あぁ司馬。恥ずかしがり屋な君までその意見に賛成なのね。
「上手く行くって猫神様も言ってるかも・・・。」
「そうですよ。○○ちゃんなら大丈夫です。」
ほんわり励ましてくれるのは檜に凪。
あ、ちょっと元気出て来た。
みんなもこんなに応援してくれてるんだ。
今日こそ、今日こそー!
「しっかしコゲ犬はモテるからなぁ?」
「うわああああああん!」
せっかくのやる気を根こそぎ折りやがってこのクソ猿は。
バカ猿のあんまりな一言に、みんなは骨を折らんばかりに猿野を殴り締め上げた。
昼休みの教室の一角。
今日も野球部仲良し1年組は一緒に昼休みを過ごしていた。
欠席者、というか仲間はずれは辰羅川と犬飼君。
辰羅川は犬飼君を足止めしてくれている。
犬飼君がいたらこんなお話出来ませんもの。