そしてこの道が続いたら【Mr.FULLSWING】
第3章 野球部仲良し1年組
追跡はひっそりと、慎重に行われていた。
2人が角を曲がったところで一行は少しばかり足を早める。
「今日はこうやって落ち着いて追跡出来るからいいけどよ。」
ぽつりと呟いたのは猿野だった。
「昨日は大変だったよな。」
ため息とともに答えるのは清熊。
「犬飼さん、いつもあの人達に追いかけられているんですよね・・・。」
心配そうに眉尻を下げて言うのは鳥居。
「僕、親衛隊がいるなんていいなーって思ってたけど、あれ見たら嫌になっちゃった。ねぇ司馬君?」
冷や汗とともに思い返す兎丸と、それに同調する司馬。
「アイムソーリー。どうしても1人ではあの人数を相手に出来ませんので・・・。」
頭を下げるのは企画立案の辰羅川。
「あの人達、頭がどうかしてるかも・・・。」
小声ながらも手厳しい発言をするのは猫湖。
「2人きりになるのに邪魔なのが親衛隊って、犬飼君はどこのジュノンボーイっすか・・・。」
こんな時でもしっかりツッコミを入れるのは子津だった。