第3章 これは・・・
少し考える。
家に帰っても面倒くさいな。オカーサンの飯食うのもだるい。親父の面は見たくもねえ。この人らの家行った方がマシか。
「・・・ご馳走になってもいいスか。」
「やったあ!!」
なんか一斉に喜んでる。こんな喜ばれたの初めてだ。
「ねーねー、ご飯食べたらキャッチボールしよー!」
「まじスか。」
「いやいや、十四松、お前のせいでまつふぃーぬちゃん怪我してるから。」
「怪我したの!?ごめんなさい!!」
「まあ、目立つ怪我じゃないんで・・・本当にもう、謝んないでいいスよ。」
「そっか、ありがとう!」
十四松さんは天然というか、天真爛漫なのかな。
デカパン博士とダヨーンに見送られ、一同は松野家を目指す。
「まつふぃーぬ、遠慮することはないんだぞ。俺がお姫様抱っこをしてやる。」
「マジでいいス。」
「クソ松、セクハラ。」
一松さんはカラ松が話すと必ずツッコミを入れるんだな。
「まつふぃーぬちゃん、後で番号教えてね♡」
「あー・・・っす」
「俺にも当然教えてくれるよな?まつふぃーぬ。」
「それはない。」
「だはははは!カラ松嫌われてやんの!」
しばらくすると、松野家が見えた。チョロ松が「あそこが僕らの家だよ。」と話しかける。
「なんか趣のある家っスよね。いいスね。」
「単に古いだけでしょ。」
一松さんは何なんだ。本当に暗いな。こっちは素直に褒めんてんだよ。
「ただいまー」
ただいまの呼吸、6人全員ピッタリ。流石は六つ子。
「おかえりニート達。ご飯できてるわよ。」
「母さん、今日は友達連れて来たよ。まつふぃーぬちゃん!」
眼鏡をかけた、優しそうなお母さんが出迎えてくれる。
「あ、いきなりお邪魔してすみません。まつふぃーぬと申します。よろしくお願いします。」
「まあ!トト子ちゃん以外に女の子のお友達がいたのね!ニート達の母です、よろしくね。礼儀正しい子ね!」
「まつふぃーぬちゃん、きちんと話せるんじゃん!いい子だね!」
赤いパーカーの人、頭撫でるのやめてくれ。あのさ、それより・・・
「ニート、なんすか?」
「うっ・・・」
兄弟全員が言葉を詰まらせ、目を泳がせる。そんな所まで息合ってんだな。