第10章 六つ子が来た日
カラ松さんが呼ばれて台所へ行く。
「この豆腐を・・・?オーケー。イエス、マダム!」
「成程。砂糖と味噌を使うのか・・・」
「フッ、天才的な美味しさだ」
普通に話していれば、台所の声はあまり聞こえないはずなんだけど・・・なぜかカラ松さんの声が聞える。
「あはー!カラ松兄さんの声が聞えるー!」
「なに言ってんだか、アイツは。」
「ほんと、イッタイよねー!」
「まあ、痛くなきゃカラ松じゃねーよ。」
トランプをしながら皆でカラ松さんを話題にする。
いつもイジられてるけど、なんだかんだ皆に好かれてるんだなカラ松さん。
「ひえっ・・・!」
ん?と思って台所の方へ顔を向ける。
「一松、落ち着いて!」
チョロ松さんの焦った声が聞える。
「どうしたんスか?」
私が台所へ入ると、一松さんがカラ松さんの胸倉を掴んでいる。
「・・・なんでもないよ。」
いやいやいや、なんでもあるでしょ。
「あ、大丈夫だよ。ごめんね、驚かせて。お母さんもすみません。」
「いいえ、大丈夫よ。」
オカーサン、ちょっと顔引きつってる。
「どしたー?」
おそ松さんもやって来た。
「ん、ちょっとカラ松がうざかっただけ。」
「あっそ。カラ松、ほどほどにしろよー。」
「すまん・・・」
カラ松さん涙目。一松さんはやっぱ恐い。