第10章 六つ子が来た日
「僕達、自分用の椅子を持ってきたので、運び入れてもいいですか?」
「すみません、持ってこさせるような形で・・・」
「そんな、僕達がお邪魔しているので。」
チョロ松さんとオカーサンが話してる間に、他の兄弟達は勝手に椅子を運び入れてる。
「あら、テーブルまで持ってきて下さったんですか!」
「折りたたみ式ですけど。人数多いんで、お皿置けないと困ると思って。」
「ここ置いちゃっていいすかー?」
皆でがやがやとテーブルや椅子を置いていく。
十四松さんだけワイン樽に座ってるんだが・・・まあ、いつもスリッパで行動する人だからな。
いきなりカラ松さんがオカーサンの前に出る。
「マダム、このバラを今宵の食卓に・・・」
「まあ!!バラの花束!!」
「マダムのお美しさには敵いませんが・・・」
「すみません、結構なものを。まつふぃーぬちゃん、花瓶持って来てくれる?」
バラの花束プレゼントする人初めて見たわー。カラ松さんってすげーな。
オカーサンは花瓶にバラを生けて、テーブルに飾った。
「さ、お手伝いしようよ♡」
ピンクのエプロンを着けたチョロ松さんが言う。
他の人もワイシャツの袖をまくり、色違いのエプロンを着ける。
ちょっとカッコイイな。
「それ、色違いなんスね。」
「母さんがお揃いで買ってくれたんだー!いいでしょー!」
十四松さんが嬉しそうに言う。
良かった。これで簡単に見分けが付く。