第9章 タバコ
「走ったー!」
「ここまで来れば大丈夫だろ。」
「すいませんした。」
私は頭を下げる。
「いーって。それより俺達がまつふぃーぬちゃんに迷惑かけちゃったよな。ごめんな。」
「いや、あの先公、いつもああなんス。」
「アイツ、嫌な感じだもんね。」
「・・・虎、呼ぶ?」
「あー・・・いざとなったら一松さん、お願いするっス。」
一松さんの虎に脅かされた先公を想像したら、少し笑えた。
「まつふぃーぬちゃん、キャッチボールする?」
十四松さんが心配そうな顔で言ってくれる。
「あ、今度の土曜にしましょうか。」
「しよしよ!」
十四松さんは顔を輝かせる。
「俺らの家で遊んでから、まつふぃーぬちゃんの家行く?」
「でも、お家の方に夕飯用意していただくんだよね?僕達も手伝った方がいいんじゃない?」
「お、さすがチョロ松ー!」
「僕、ご飯のお手伝いするよ♡」
「トッティさん、オムライスめちゃめちゃ美味かったっスもんね。」
「トッティが料理した後の台所は惨事。」
「そういうこと言わないでよ一松兄さん!」
皆でワイワイ騒いでいるのに、カラ松さんが喋っていないことに気付いた。
「カラ松さん、どうしたんスか。」
「まつふぃーぬ・・・いや、なんでもない。」
カラ松さんはサングラスを指でくいっと掛け直した。