第9章 タバコ
「まつふぃーぬちゃーん!」
校門を出ると、六つ子が立っていた。
挨拶をしようとすると、急に先公に呼び止められた。
「おい、なんだアイツら。お前の友達か?」
「はあ。」
「あんな生徒じゃない野郎ばっかりに集団で立たれると迷惑なんだよ。」
「はあ。」
「あのな、はあじゃない。お前分かってんのか?ウチの学校の風紀に関わるって言ってんだ!」
「そーすか。」
「お前な、教師に向ってその態度はなんだ。真面目に話を聞け!」
「・・・」
「お前なあ、このままだと退学処分だぞ!」
退学上等、好きで来てんじゃねーよ。
六つ子達に目をやると、皆が心配そうに見ている。けれども、他にも教師達が校門前に張っているし、さすがに校舎内には入れない。
「聞いてんのか!!」
「耳は悪くないっス。」
「人をおちょくるな!!」
「・・・あの人ら、もう来させなきゃいいんスか?」
「それもそうだし、お前の態度も改めろ!」
「・・・っス。」
「返事はちゃんとしろ!」
うるせえよコイツ。
「・・・先生のおっしゃることは重々承知致しました。今日は先を急いでおりますので、こちらで失礼致します。ごきげんよう。」
先公は一瞬、ポカンとした顔になる。
その隙を突いて、ダッシュで六つ子に駆け寄る。
「お待たせしてサーセン。ちょっと、走ってもらっていいスか。」
六つ子が頷く。
私達は後ろから浴びせられる罵声から、どんどん遠ざかった。