第8章 ひらめき
「あざっす。今日は楽しかったっス。」
「まつふぃーぬちゃん、もう帰っちゃうのー?俺さみしいなあ。」
「サーセン、おそ松さん。親、うるさいんで。」
本当は私も帰りたくない。でも、出掛ける時にオカーサンから「お夕飯には帰ってきてね。」と言われてしまった。オカーサンに無理に笑顔を作られると、すげなくできない。
この間のように、皆が家まで送ってくれる。
「まつふぃーぬちゃん、あそこにおでん屋出てるだろ?あそこ、チビ太ってヤツがやってるんだよ。今度、食べに行こうな!」
「チビ太のおでんはウマイよ!」
「チビ太のおでんはソー・デリシャスだな。」
「カラ松、なんで十四松の台詞そのまま繰り返した?」
「英語に直して言うとか、イッタイよねー。」
「俺はトッティを傷付けたのか!?」
「うるさい、クソ松。」
おでん屋さん一つで、よくもここまで会話が広がるなと感心する。
「あ、まつふぃーぬちゃん家見えてきた。」
「今日楽しかったね!また遊ぼうね!」
「今度は家に泊まりなよー!」
鼻血をたらしながら言われても。想像してることは分かるぜ、兄ちゃん達。
「・・・おばさんと一緒に寝るんなら。」
全員、うなだれる。
「ま、まあ、それはまだ早いな。」
おそ松さんが言うと、全員が「うんうん」と頷く。十四松さんまで同じことを考えてたかと思うと、軽くショックだ。天真爛漫に見えるが、男なんだな・・・。
「送ってもらってあざす。」
「おう!今度はいつ遊ぶ?明日?」
「明日は学校スね。」
「あ、そっか。」
「僕達、迎えに行ってもいいかな?」
「まあ、それはいいっスけど。忙しくないんスか?」
「俺達、社会のクズだから時間だけはあるんだよ・・・。」
一松さん、サーセン。そういう意味で言ったんじゃないス。
「あ、じゃあ、お願いします。」
「やったあ!また明日会おうね!」
「今宵は俺の夢を見てくれよ、まつふぃーぬ。」
カラ松さんは一松さんにバズーカ砲を喰らった。