第7章 日曜日 午前10時
「今日はチョロ松兄さん、あんまりまつふぃーぬちゃんと話してないよね。だからここは兄さんに譲るよ。」
トッティさんは人の扱いが上手いな。私も人との付き合い方が上手なら、家も平和だろうし、学校で浮くことも・・・
「まつふぃーぬちゃん?大丈夫?」
チョロ松さんが私の顔を覗き込む。
「あ、はい。サーセン。」
「まつふぃーぬちゃんの好きなようにやろうね。分かんないこととかカードの組み合わせとか、僕がその都度教えるから。」
「あざっす。チョロ松さん一緒なら心強いっスわ。」
チョロ松さんが少し顔を赤らめる。
「チョロ松、顔赤いぞ~!」
「なっ、おそ松兄さん!!」
私なんかの言葉に赤くなるとか、こっちも恥ずかしい。でも、チョロ松さんが少し嬉しそうな顔したの見て、自分も嬉しくなる。
「カード配るよ。」
一松さんが慣れた手つきで配っていく。
配られたカードを手にし、チョロ松さんに見せる。
「これとこれはペアになるよ。」
小声でチョロ松さんが教えてくれる。
他の人を見ると、皆、色々な顔をしている。
一番分かりやすいのはカラ松さんだ。さっきより眉間のシワが深くなっているし、冷や汗もかいている。
おそ松さんは口角をニヤリと上げて、トッティさんは澄ました表情、一松さんはいつもの眠たい様な顔。
十四松さんはいつもの笑顔で、何を考えているのか分からない。
一人ずつ、札を捨てたりパスをしたり、ゲームが進んでいく。
「まつふぃーぬちゃん、この組み合わせでいこう。」
チョロ松さんの言う通りの組み合わせにして、一斉に開く。
「僕、フラッシュ。」
「スリーカード。」
「僕、ストレート!」
「私、フル・ハウス。」
「おー、まつふぃーぬちゃんいいの来たね!俺は、ロイヤルストレートフラッシュだ!!」
「うえー、おそ松兄さんポーカー強いよねー!」
「カラ松兄さんは?」
皆がカラ松さんに注目する。
「フッ・・・まあ、たまには他人にも花を持たせないとな。」
一松さんがカラ松さんの手札を覗く。
「クソ松、ノー・ペア。」
「カラ松!何もできなかったのかよ!お前、期待を裏切らないな!」
皆、うひゃうひゃ笑っている。
私もつられて笑った。