第7章 日曜日 午前10時
「おお、やってるな。」
「カラ松兄さん!兄さんもするー?」
「やりたいのは山々だがなブラザー、ランチの誘いに来たんだ。」
もう昼なのか?と思って空を見上げると、確かに太陽は真上近くに迫っている。
「2時間経つの早いっスね。もっとやりたかったっス。」
「また今度しようよ!やり過ぎると筋肉痛になっちゃうから。」
そっか、十四松さんは慣れてるだろうけど、私は初めてだから気を遣ってくれたんだ。
「あざっす。楽しかったっス。」
「さあ、麗しきカラ松ガール、俺が家までエスコートしよう。」
カラ松が手を差し出す。
「あ、適当に付いてくんで。」
カラ松は少しうなだれる。この人、カッコつけてるけど繊細なんだな。なんか可哀想になったので、これからは「さん」付けして、ちょっとは敬おう。
「カラ松さんって、王子様キャラなんスか?」
「まつふぃーぬ!さん付けしてくれるのか?その上、やや丁寧な言葉遣いになっている!」
「あー、まあ、世話になってるんで。」
「なんて律儀なガールなんだまつふぃーぬ!」
カラ松さんは繊細なんだか、単にバカなのか・・・ふと十四松さんに目をやると、さっきから十四松さんは家が段ボールの方々に挨拶をしながら歩いている。
十四松さんは・・・可愛いんだけど、捉えどころがないな。
「それに、俺を王子だと見抜くとは・・・まつふぃーぬ、お前は人を見抜く力に長けているな。」
「王子とは言ってないっス。キャラです。」
「フッ・・・似たようなものだ。」
「まつふぃーぬちゃん、お腹空いたね!」
十四松さんは今までのカラ松さんの話を断ち切って、にこやかに話しかけてくる。
だんだん私にも、カラ松さんの扱い方が分かってきた。