第6章 迎え
今日は全員ツナギなので、割と分かりやすい。昨夜を思い出しながら、赤がおそ松さん、紫が一松さん・・・と頭の中で確認し直す。
「ねえねえ、今度の日曜、空いてるー?」
「空いてるっス。」
「じゃあさ、土手でキャッチボールしようよ!」
「いいスね。何時がいいスか?」
「10時にしよ!」
「十四松は野球のこととなると、早起きするよな。」
おそ松さんが横から顔を出して言う。
「10時なんて、まだ寝る時間だよー。なあ、まつふぃーぬちゃん?」
「いや、それはとっくに起きる時間スね。」
「え?10時だよ?早くね?」
「おそ松兄さん、僕らが異常だから。」
チョロ松さんが眉を八の字に曲げて言う。
「ねえ、キャッチボールは1時間もすれば十分だよね。その後、僕と出掛けない?」
「あー・・・トッティさんと二人でってことスか?」
「僕と二人じゃイヤ?」
トッティさんが潤んだ目で見てくる。やめてくれよー。
この人と二人で何すんだ、どう断ろうかと悩んでいると、急に一松さんがボソッと、しかし割と大きな声で呟いた。
「女子高生とデートしてる僕、いけてるでしょ?」
それを聞いた他の兄弟の目が光る。
「あー、そっかあ、トッティそっかあ。ツイッター?インスタグラム?どれに載せるのー?」おそ松さんが被せてくる。
「ドライモンスターめ。」チョロ松さんが睨んでいる。
「兄弟には本音が筒抜けだな・・・」カラ松は苦笑いをする。
「キャッチボールは1時間じゃ終わらないよ?」十四松さんは・・・顔の半分をツナギで覆っているので表情が分からない。
トッティさんは顔を引きつらせ、「あはは、まつふぃーぬちゃん、この話はまた今度しようね。」と言った。
「十四松、キャッチボール2時間あったら十分?」
「うん、2時間なら十分だよ、おそ松兄さん。」
「まつふぃーぬちゃんさ、キャッチボールの後、家に昼飯食べにおいでよ。」
六つ子達が期待するような目でこちらを見る。
「あ・・・いいんスか?」
「いーよ!むしろ来てよ!」
「じゃあ、お邪魔します。」
「やったー!」