第6章 迎え
やっと授業が終わり、これで帰れると思いきや、一番ムカつく先公に課題を出される。
「お前、さぼった分やれ。」
何枚ものプリントを差し出される。マジかよ。
教室で一人、プリントに取り組むが、全く分からない。
「やべーよこれ。教科書は何言いたいんだ?」
独り言を呟いていると、鈴木君が入ってきた。
「あれ?何やってるの?」
「あー、課題出されて。さぼったから。」
「そっか、大変だね。」
「どしたの?」
「ん、忘れ物。」
鈴木君は自分の席からなにやら取り出す。
私はプリントに視線を落とすが、分からない。
「俺、手伝おうか?」
「え?いや・・・悪いよ。」
「いいよ、暇だし。」
さすが鈴木君は違う。成績もいいし、性格もいい。ありがてえと心の中で手を合わせた。
課題を提出し、鈴木君と連れ立って校門の外へ出た。
なんか、見たことある人達が・・・
「まつふぃーぬちゃん!やっと来た!」
「キャッチボールしよ!」
「ん?彼氏?」
トッティさんの発言に六つ子が一斉に鈴木君を注視する。
「いや、同じクラスの人っス。」
「こんにちは。鈴木です。」
鈴木君は丁寧にお辞儀をする。
六つ子達は慌てて、お辞儀をし返す。
どっちが年上だよ・・・。
「じゃあ、また明日。」
鈴木君が去っていく。
「あの、何してんスか。」
「俺達、まつふぃーぬちゃんを迎えに来たんだ!」
「まじスか。」
さすがニートは暇だなと思いつつ、また会えたのが嬉しい。
「寒いのに、あざす。」
「いーって、いーって、まつふぃーぬちゃんに会えて嬉しいよ!」
おそ松さんがいたずらっぽい笑みを浮かべながら言ってくれる。
「さ、まつふぃーぬ、荷物が重たいだろう。俺に貸してくれ。お前の可憐な腕は労わらねばな。」
「遠慮します。貴重品入ってるんで。」
「プッ。信用ねえな、クソ松。」
皆に囲まれて、ゆっくりと歩き出す。
憂鬱な気分が少し晴れた。