第5章 家へ
玄関のドアを開ける。
「まつふぃーぬちゃん!?怪我はどうなの?大丈夫?」
「あー、大丈夫ス。」
「帰ってくんな!お前なんかどっか行け!」
「やめて、あなた!」
「うるせえ!コイツの顔なんか見たくもねえ!」
幸せな気分が吹っ飛ぶよ。
「大声出さないで!ご近所さんに迷惑よ!」
「とっとと失せろ!」
言われなくてもそうするよ。
まつふぃーぬは部屋へ入り、鍵を閉めた。そのまま床にしゃがみ込み、膝を抱えて泣いていた。
気付くと、朝になっていた。
制服のまま布団を被っている。スカートしわくちゃだ。
スマホに通知が何件も届いている。
みんな六つ子からだ。
「昨日はありがとうございました。すき焼きうまかったです・・・と。全員同じでいいだろ。」
十四松さんだけ「キャッチボールいつする?」と書いてあったので、「いつでも」と返した。
シャワーをしに浴室へ行くと、オカーサンと鉢合わせる。
「まつふぃーぬちゃん、昨日は学校お休みしちゃった?今日は学校行ってくれる?」
やべ、先公が連絡したな。
「あー、すいません。行きます。」
「良かった。朝ごはん用意してあるからね。」
オカーサンは寂しそうに笑う。