第5章 クリスマスor正月【虎太/勝呂/黒子】
【青の祓魔師/勝呂竜士編】
『ねぇ、竜ちゃん!プレゼント何がえぇ?』
「何のや」
『クリスマスのプレゼントに決まっとるやろ!何が欲しいん?』
「クリスマスはキリスト教の誕生日を祝う日やで?ウチは仏教やのにやったらアカンやろうがっ」
『!?そう「なのか!?」なん!?』
『?』
「?」
街はクリスマス一色で、何処の店もツリーやらリースやら飾って浮かれている。
その中で悠鬼も想い人である勝呂とクリスマスを楽しみたいと思っていたが、外国人の誕生日を祝う日だと聞いて目を見開く。
悠鬼がビックリしていたのと同時に、通路挟んで反対側の席にいる燐も初めて知ったかの様な反応を見せる。
「奥村くんもですか?」
「俺でも知っとるで、そのくらいの事なら」
「マジで!?」
『廉造に負けたぁ……』
「……アホやろ」
燐と同類で志摩より馬鹿にされた悠鬼が机に顔を伏せて項垂れていると、教室の扉を開けて次の講師である雪男が現れる。
「では悪魔薬学の授業を始めます」
『奥村先生ー!授業の前に質問えぇですかぁー!』
「授業に関係のある事なら構いませんよ」
『先生は今年のクリスマスプレゼント、彼女に何を渡しはるんですかぁー?』
「……っ……彩條さん、それは関係のない質問でっ「雪男に彼女なんか居ねぇよ!」」
『うっそー!彼女居らんのー!?……燐くんに隠しとるだけでホンマは居るんとちゃいますぅ?』
「居ません。はい、無駄なお喋りは止めて授業をっ」
『待った!もう一つだけ!「お前もえぇ加減にせぇよ!」』
悠鬼が雪男にちょっかいを出してる事で、いつまでも授業が始めれられないので、腫れを切らした勝呂がペシンと悠鬼の頭を叩いて止めさせ、漸く静かな授業が始まった。
悪魔薬学の授業が終わって直ぐに悠鬼は真横にいる勝呂の方に顔を向け、相手の腕を掴むと引き寄せて擦り寄る。
「何やねん!放せや!」
『せやったらちゃんと言うてよ!竜ちゃんは何が欲しいん?』
「せやからクリスマスはキリスト教の誕生日で、俺等には関係ないやろ?」
『分かっとるけど~……何もせぇへんのはつまらんもん!クリスマスは冬休み中やし……』
「……せやったら悠鬼のキスでえぇで」
「!?」