第5章 クリスマスor正月【虎太/勝呂/黒子】
昨日、自分が悠鬼のベッドに入って添い寝した事を思い出した虎太は、相手に放す様に頼むが一切聞いて貰えず観念して話す事にした。
「悠鬼が書いたんだろ?……だからどうしたら良いのか解んなくて……」
『サンタさんの手紙見たの?』
「悪い……何あげたら良いか決められなくてっ……」
『手紙見たの?』と聞かれれば息を詰まらせて少し罪悪感を覚えるが、虎太はボソボソと本心を告げる。
虎太を抱き締める悠鬼の手に力が入ると(怒られるか!?)と身構えてしまうが、背中が濡れて来たかと思うと啜り泣く声が聞こえて来る。
「悠鬼、悪かったって!」
『違うの……っ……凄く嬉しいの』
「えっ?」
『……今年は私のところにもサンタさん来てくれたよ……大好きな虎太ちゃんを連れて来てくれたのッ……』
「……っ……悠鬼の為なら……オレはいつでも傍にいてやるよ」
『うん。もうちょっとこのままで居て?』
「オレも……」
悠鬼はストレートに気持ちを伝えて来るが感情表現が苦手な虎太は、相手から顔を逸らして聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声量で「好き」と呟いた。
背中を向けている虎太だが耳を真っ赤にしているのが悠鬼にも解ると、更にぎゅぅーっと抱き締めて『うん!』と虎太の言葉に嬉しそうに頷く。
ーサンタさんへー
いつか私が大人になった時、虎太ちゃんが欲しいです。
虎太ちゃん達のパパとママ見たいにいつまでも仲良しな夫婦になれたら嬉しいです。
悠鬼より
「何だよ!、竜持もエプロンかよ!」
「被っちゃいましたねぇ……やっぱり一緒に見に行けば良かったですね?」
『でも柄は違うから嬉しいよ!可愛いし、ありがとう!竜ちゃん、鳳ちゃん!』
「おぅ」
「気に入って貰えたなら嬉しいです」
『うん!……それに虎太ちゃんのウサギさんの耳当ても可愛いっ!』
「……っ……」
「何で虎太だけ違うんだ?」
『三つ子だから皆同じ物だと思ったよ?』
「う~ん、一括りにされるのはちょっと……」
「悠鬼に……似合うと思ったからッ……」
『虎太ちゃんお顔真っ赤よ?……可愛~!』
「可愛いって言うなって!」
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