第5章 クリスマスor正月【虎太/勝呂/黒子】
「虎太、何て書いてあった?」
「虎太くん?」
「な、内緒……」
「はぁ!?それじゃ何も買えねぇだろ!」
「鳳壮くん、落ち着いて下さい!……虎太くん、言いにくい事なんですか?」
悠鬼の部屋から出て来た虎太は、言えない内容だった事を首を縦に振って告げる。
脱力する鳳壮と困った様に笑みを見せる竜持は、仕方なく自分達で適当に考えてプレゼントする事に決めた。
(言える訳ねぇじゃん……二人には余計……)
ークリスマス当日ー
三つ子のママとケーキや豪華な料理を作り、降矢家で悠鬼も一緒にクリスマスパーティーを楽しんだ。
そして夜になり皆が寝静まった頃、虎太は一人そっと悠鬼の部屋を訪れる。
忍び足でベッドに近付くと、恐る恐る相手の顔を覗き込む。
寝ているのが分かると安堵の息を吐くが、この後どうしたら良いのか手紙を読んでからずっと思い悩んでいる。
『……虎太ちゃっ』
「!?」
『……あ~……んッ……』
良く食事の時に悠鬼が自分達に何かを食べさせたりしているので、その時の事を夢に見て居るのだと思った虎太は少し可笑しそうに笑みを浮かべる。
竜持や鳳壮と違い口数も少なくあまり感情を表に出す虎太ではないが、悠鬼の寝顔を見つめている時の表情はとても穏やかで優しい顔をしている。
目の前で眠る相手を見つめていると、虎太の顔は耳まで真っ赤に染まり出す。
(こ、これしか思い付かねぇ……っ……)
『んぅ……?……虎太ちゃん?』
朝になり悠鬼が目を覚ますと、隣には虎太が寝ていた。
目をぱちくりと瞬きして『何で?』と不思議そうに相手を見つめると部屋を見回す。
(私の部屋だよね?)
自分の部屋に間違いがないのを確認すると、再度隣に眠る長男へと視線を向ける。
悠鬼は少しの間驚いていたが、徐々に目を細めて嬉しそうに相手を見つめそっと顔に触れる。
「……悠鬼?」
『おはよう、虎太ちゃん……どうしてここで寝てるの?』
「何でって……っ!?」
普段から悠鬼は虎太を怒る事はないので、決して責めず優しい声色で疑問に思っている事を問い掛ける。
意識が覚醒した虎太は、見る見る内にカァーと顔が真っ赤に染まる。
逃げ様とする相手を離さない様にぎゅっと抱き締める。